|
食器の歴史 酒の器には自然界の動植物の形骸が便われていたことが想像できます。 西洋では動物の骨や角といった紡鐘型の器が容易に入手できたため現 在でも縦に細長い酒器が多く見られますが、目本では貝殻などを利用し てきたことに見られる扁平型の盃を用いることが主流となりました。時代が 経つにつれ陶器や磁器、金属、ガラスなど多種多用な素材のものが 用いられるようになり、外来文化の影響をうけたものも現在では目立つ ようになりました。中世では日本酒器の開花時代と言え、様々な「酒宴用具 が完成した時代、江戸に入ると芸術作品的な酒器が多数作成された と言われています。近世に入ると酒器全般に美意識を発揮させたものが多く生まれ、 現代に至っては、味覚上、生理学上の効果を加味した設計、デザインが酒器 やグラスに取り入れられるようになろてきました。 |
陶磁器とは 陶磁器、つまり焼物には陶器と磁器、ほかに土器と石器とがあ ります。素地が土質のものを陶器、石質のものを磁器と言います。 ◆陶器 素地が粘土質なので焼成後の母体は多孔質で、叩くとコンコンという鈍 い音がします。「土もの」とも呼ばれ、これぞ陶芸といった感じの焼物が たくさんあります。また、焼成湿度があまり高くないので焼き締めが弱 く意外にもろいので、少しでもぶつけてしまうとすぐに欠けてしまいます。 ◆磁器 中国の宋の時代に完成され、日本には朝鮮半島の陶工たちによって伝 えられました。白くて、叩くとキーンという金属音がする焼物です。い わゆる「瀬戸物」と呼ばれる繊細で清潔感のあるもので、一般的な洋食 器のほとんどがこの磁器になります。 ◆土器 縄文土器や弥生土器などのような粘土を素焼きにしたもの。焼成湿度 があまり高くないので通水性があります。このため生活用品にはあまり 見かけませんが、この通水性を利用した素焼きのワインクーラーなどが あります。 ◆せっ器 土、あるいは土に石粉などを混ぜて高温で焼成したもので、土器との違 いは通水性のない点にあります。オーブン料理用のキャセロールなどに 多用され、日本では常滑焼や伊部焼、唐津焼などで知られています。 |
ガラスの種穎 ◆ソーダガラス 原材料に石灰を多く使用。窓ガラスやビンなどが主流で硬いがもろく、屈折率も低い。 ◆カリガラス 原料にカリを用いたもので、性質はソーダガラスと似ているが、硬めで透明感が高い。 ◆クリスタルガラス 酸化鉛12〜35%が石灰の代わりに使用。屈折率、透明度が高い。 ◆耐熱ガラス 珪酸96%・ホウ酸3%・酸化物1%を調合しており、120℃まで耐えられる。 ◆強化ガラス 軟化点700℃までガラスを加熱して空気で冷却、通常のガラスより3〜4倍強く割れると粒 状になる。 |
テイスティングとは・・・ 香りや味を吟味することをテイスティングといいます。ウイスキーのブレンダーたちは、 まず、ストレートでざっとテイステイングし、それからウイスキーに等量の水を加え、 じっくりと香味を利き分けていきます。 ウイスキーと水を1対1で割るのは、アルコール度数を約20%にするためです。 ウイスキーに溶け込んでいるさまざまな芳香成分は、アルコール度数を20%前後 にしたときに、最も多く揮発する ― ブレンダーたちは古くから、この現象を経験で知り、 ウイスキーの利き酒に利用してきました。「水はプリズムなんですよ」とあるブレンダーは 言います。「プリズムが、太陽光線を七色に分けるように、水はウイスキーの香りを開く のです」と。水はミネラルウォーターがよく、また、氷は入れません。タイプの異なった ウイスキー同士で比較すると、それぞれの個性がいっそう分かります。 1.まずは、色。澄みきった琉珀の色合いを、白い紙をバックにして確かめます。 銘柄によって濃淡があり、また熟成年数によっても色の深さが違います。 2.そして、香り。かぐ前に、グラスを揺すり、ウイスキーがグラスの内壁面を 濡らすようにすると、芳香成分の気化が強まり、香りがよく立ち上がります。 鼻に一番先に訴えてくる香りをトップノートといいます。さらにかいでいくと、 花のような香り、蜂蜜やくだもののような香り、煙のような香り、樽の木の香り ・・・・さまざまな香りに気づきます。 3.次に、味。いよいよ口に含み、舌の上でころがすと、味の特徴が染み透ってきます。 あるウイスキーは、まろやかな甘さ。またあるものは、複雑で豊かなコク。 銘柄ごとに微妙な差があることも、比較試飲すれば明らかになります。 4.最後に口の中に残っている香り、味がアフターテイストです。良いウイスキーは、 快い香りや味が余韻となって響きます。グラスの中味がなくなった後にも、 残りの香りを楽しむことができます。 |
|
おいしい水の役割 ウイスキ一やブランデーは、日本国内においては水割りで飲まれることが 主流です。その水割りを美味しぐする秘訣は「水」です。 今日、お店のほとんどでは、ミネラルウォターが使われていますが、 一般的にミネラルウォーターと言われるものも、4種類に分ける事ができます。 ◆ボトルド・ウォーター 飲用可能な水のことで、処理方法に規定はない.もの。 水道水もこの中に含まれます。 ◆ミネラル・ウォーター 地中でミネラル分が溶解した地下水のことで、濾過・沈殿・加熱殺菌のほか、 オゾン殺菌、紫外線殺薗、ミネラル分の調整、ブレンドなどを行ったものです。 ◆ナチュラル・ウォーター ミネラル分の溶解の少ない地下水で、濾過・沈殿・加熱殺菌以外の処理を していないものです。 ◆ナチュラル・ミネラル・ウォーター 地中でミネラル分が溶解した地下水で、濾過・沈殿・加熱殺薗以外の 処理をしていないものです。 この4つの水の中でどれが水割り向きかといえば、Cがも最も自然の水の味に 近く水割り向きといえます。もちろんBも美味しくできます。Aになると、炭酸成分や、 フルーツフレーバーが加工されていることがありますので、注意して下さい。 @はおすすめできません。 |
おいしい氷の役割 おいしい水割りのために水とともに必要なもの、それが氷です。ひと口に氷と いっても、その質や形によって大きな違いがあります。飲みものを適度に冷やし、 水っぼくならないように、飲む状況に合った氷を御便用下さい。
ブロックの氷の角を削り、ロックグラスにすっぼり収まるぐらいに
ブロック氷をアイスピックなどで3〜4cmぐらいの大きさに割ったものをいいます。
3cm前後の立方体の氷です。一般の冷蔵庫や製氷機で作る時は、軟水を使用
細かく砕いた氷のことです。クラックドアイスなどを小さくした氷で、アイス |
おいしい水割りをつくろう お気に入りのグラス・おいしい酒・おいしい水・美しい氷全ての材料が そろったら美味しい水割りをつくりましょう。
|
ウイスキーを使った調整法 ビルド BUILD グラスに直接材料を注いでつくるカクテルの調製法をビルドと言います。 まず、グラスに氷を入れ、ウイスキーを適量注ぎ、次に副材料を入れて 混ぜ合わせます。レシピにある分量はあくまでも目安。つくり方は水割り のように簡単で、格別の味わいが楽しめるカクテルです。 シェーク SHAKE シェーカーを振ってつくるカクテルの調製法をシェークといいます。シェーカーは、 「上ぶた」と「中ぶた」そして「ボディー」の3つの部分から出来ています。 つくり方は、まずボディーに氷を入れて、水を注ぎ、氷を洗い、水を切ります。 氷の分量は、8〜9分目ぐらいまでたっぷり入れます。 次いでレシピにある材料を順番に入れていきます。たとえばセント・アンドリューズの レシピには、材料のそれぞれの分量に「1/3」とあります。カクテルグラスの容量は、 だいたい90ml。ここから、氷が溶けだして水になる分20mlを差し引くと材料の全体の 量は60mlになります。ですから、レシピにある「1/3」は、60mlの1/3=20ml、「1/4」 は15mlと考えてください。 そして、中ぶたをはめ、上ぶたをはめます。このとき、上ぶたをはめたまま中ぶたをボディに はめると、シェークしたあとシェーカーの内と外に生じる気圧差で、上ぶたが外れなくなるので 注意が必要です。シェーカーの振り方で7〜8回繰り返すと中味はO℃くらいに冷えています。 シェークが終わったら、上ぶたを外し、中ぶたの肩に人差し指をかけて、中ぶたが外れないよう にしながら中味をグラスに注ぎます。 ステア STIR ミキシング・グラスに氷と材料を入れ、バー・スプーンでかき混ぜてつくるカクテルの調製法を ステアといいます。 まず、ミキシング・グラスに大きめの氷をたっぷり入れ、水を加えて氷を洗うとともにミキシン グ・グラスも冷やします。これにストレーナーをはめてよく水を切り、所定の材料を注ぎます。 次いでバー・スプーンで、材料と氷を同時に回転させます。バー・スプーンを扱う際は、 つねにスプーンの背のほうを上にして、ミキシング・グラスに入れるようにします。 そして、回転中は、つねにスプーンの先が底に届いているようにし、 またスプーンの背が外側を向いているようにして、グラスの内周沿いに回転させます。 15〜16回くるくる回転させたら、ステアの動作は完了します。 |
グラスの種類いろいろ
タンブラー | オールドファッションド・グラス | ブランデー・グラス | コニサー・グラス | ショット・グラス | ゾンビ・グラス | カクテルグラス |
ウイスキーの水割りやハイボールなどに使用。水やソフトドリンク用に使用する場合も多く、グラスの容量によって8オンス、10オンス、12オンスなどに分類されています。 (1オンス=約30ml) |
ロックグラスとも言われ、タンブラーの原型とされる古いタイプのグラスです。ウイスキーやカクテルをオン・ザ・ロックスタイルで飲むときに使用され、容量は180ml〜300mlが一般的です。 | ブランデーをストレートで飲む目的で造られたグラスで、短いステム(脚)が特徴です。チューリップのようにボウルの部分がふっくらしており、香りを逃がさぬように飲み口がすぼまっています。 | 高級ブランデーをストレートで飲む目的で造られたグラスです。高級ブランデーは樽の中で十分香りが引き出されているので、手で暖める必要が無い為、比較的ステムが長いのが特徴です。 | ウイスキーをはじめとする各種スピリッツ類をストレートで味わうための小さなグラスです。(1ショット=約30ml) | 口径が比較的小さめなので、発泡性のカクテルやロングドリンクスなどに適しています。コリンググラスやトールグラス、チムニーグラスとも呼ばれています。 | ショートカクテルを飲むためのグラスで、脚付きの逆三角形や優雅な曲線の半球状をしているのが一般的です。近年では種類も豊富になり大きさも様々です。 |
ワイングラス | リキュール・グラス | ピルスナー | シャンパン・グラス | シェリー・グラス | ゴブレット | 日本酒器 |
種類の豊富なグラスで、ワインのタイプや産地によってもデザインや大きさが変化します。一般的には無地無色透明でガラスが薄く、グラスのフチがやや内側にカーブしていて香りをグラスの中にこもらせるデザインのものが良いとされています。長いステムは手の温度がワインに伝わって温まるのを防ぎます。 | 約30mlぐらいの容量の小さなグラスで、リキュールをストレートで飲む場合に使うグラスです。脚付きのもの、付いていないものとタイプも様々で、ポート酒やマディラ酒、日本酒(冷酒)用としても使用されています。 | ビールを飲むグラスです。チェコスロバキアのボヘミア地方の都市「ピルゼン」が語源です。このピルゼンで産するビールのことを指していましたが、やがてそのビールを飲むグラスのことを言う様になり、現在のようなビール用のスリムなステムグラスを呼ぶようになりました。 | 口径の広いソーサー型のグラスと、口径が狭く細身で背の高いフルート型のグラスがあります。純粋にシャンパンなどを楽しむのならガスが逃げにくいフルートタイプ。乾杯などで素早く飲むときや故意にガスを抜くとき、フラッペやフローズン・スタイルのカクテルにはソーサータイプが良いとされています。 | ワイングラスとリキュールグラスの中間くらいの大きさでスリムなスリムな脚付きのグラスです。シェリーを楽しむだけでなく、ウイスキーやブランデーも香りを楽しみながらじっくり味わう事が出来ます。 | 語源は「突き出たとんがり口」を意味するケルト語から派生した言葉と推測されています。基本的には食事の際の水を飲むときに使うグラスですが、水の他にもビールやミルク、ジュースなどのソフトドリンクにと幅広く用いられています。 | 磁器をはじめ、ガラスや金属と様々なタイプのものがあります。 |
日本酒の飲用温度と表現
日本酒は時や場所にあわせていろいろな温度で楽しめます。この飲用の温度には、
特有の表現があり、日本人らしい繊細な気配りが感じられます。
※ ○×はお酒をおいしく楽しむための目安です。
目安温度 | 呼び方 | 大吟醸 | 吟醸 | 純米酒 | 本醸造 | 普通酒 |
55℃前後 | とびきり燗 | × | × | × | ○ | ○ |
50℃前後 | 熱燗 | × | × | × | ○ | ○ |
45℃前後 | 上燗 | × | × | ○ | ○ | ○ |
40℃前後 | ぬる燗 | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
36℃前後 | 人肌燗 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
30℃前後 | 日向燗 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
生(無垢) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
15℃前後 | 涼冷え | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10℃前後 | 花冷え | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
5℃前後 | 雪冷え | × | × | ○ | ○ | ○ |
カクテルに使われる主な単位
単 位 | 表 記 | 分 量 | 摘 要 |
1ダッシュ | dash | 約 1ml | ビターズ・ボトルをひと振りしたときの量 |
1ティー・スプーン | tsp. | 約 5ml | バー・スプーン一杯分の量 |
1ドロップ | drop | 約 1/5ml | ビターズ・ボトルを逆さにして自然に滴り落ちる量 |
1グラス | glass | 約 60ml | |
1カップ | cup | 約 200ml | |
1ボトル | bottle | 約 750ml | 日本で一般的なボトルの容量 |